4坪から生まれる物語。小倉北区カフェバーSPITAL



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「そこのお店にいる人達に会いに行く」というカフェが福岡県北九州市小倉北区にあります。そこは、小倉北区室町にあるカフェバー、雑貨やCDのセレクトショップ「SPITAL(スピタル)」。約4坪という小さな店内に、写真やデザインが好きな人、お菓子や裁縫が好きな人、地元の大学生やおじいちゃんおばあちゃんをはじめ多くの人が訪れます。

 

『1階での1人スマートフォンの使用禁止』というように、小さい店内だからこそうまれる会話や人との繋がりを大切にしたいという店主である原田謙剛さん。DJでもある原田さんが選んだ音楽が店内に流れ、小倉にある受注焙煎「星流珈琲」の珈琲を飲みながら、お客さんと店主の会話が気軽にうまれる空間。

 

そこからワークショップやイベント企画まで発展することもしばしば。流れるBGMはお店で購入することもでき、年数回北九州市内で音楽イベント『Dimention』や、各出展者が集うマルシェとゲストミュージシャンのライブを行う『SPITAL MARKET』を主催するなどといった音楽と人を繋ぐ活動もしています。

 

きっかけは事務所探し

 

− 小倉でカフェを開いたきっかけを教えてください。
原田 : 元々カフェをする気は全くありませんでした。音楽イベントの企画を学生時代からしており、事務所を探していて、たまたま知人から面白い物件を聞いて辿りついたのがここになります。

 

− たまたま見つかったのが小倉だったのですね。

原田 :そうですね。その前は宮若市の山奥で探していました。

 

− 山奥ですか?

原田 : 古い敷地300坪ぐらいの民家を老夫婦が家賃1万で借りてるという情報を聞いて、その人たちが引っ越すということで、交渉してみましたがダメでした。次に見つかったのがたまたまここでした。ここは見に来てすぐ借りました。

 

ギャラリーの方向へ

 

spital04借りた当時の状態を残し、原田さん自身がレンガを積み上げ作ったカウンターなど店内様子。

 

−  もともとスペースは小さめで探していたのですか?

原田 :  いえ、この物件だからですね。こんな物件まずありませんので。人が多く通るところは嫌だったんですよ。この場所を目がけて訪れてきてくれるような。誰でも来ていいっていう種類の店とはちょっと異なりますね。

 

−  木工作家の 山口和宏さんやイラストレーターの河野愛さんなど、毎月作家さんの企画展を行っているのですか?

原田 : そうですね。去年ぐらいからこういう企画展に力をいれています。5年前までは小さいカフェで展示会を企画するのは、僕の店か何軒かくらいしかなかったのですが、いまはもうどこのお店でもありますので、独自のネットワークを使ってこういう企画展をやっていくというかんじですね。いまはカフェよりギャラリーの方向に向かっています。もうひとつ違うお店を福岡市内に作ろうとしているのですけど、いろんな小さいお店を九州各地に作って、企画を全部それぞれのお店で回して、年に1回ぐらい大きい企画をやりたいなと思っています。

 

人が集まる場所を作る

 

spital05壁には原田さん自身が選んだCDが並んでいる。店内BGMの曲を気に入れば、その場で購入することも可能である。

 

− そういうネットワークっていうのはどうやって築き上げたのですか?

原田 : それはもう行動することですね。ライブだったら自分がみたかったら自分が呼ぶ、みたいな感じです。それを6年7年繰り返してていて。人との繋がりで、こうやってお仕事ができているのだと思います。

 

−  クラブイベント『Dimension』はいつから始めらてたのですか?

原田 : ロンドンから帰国してすぐですね。ロンドンから北九州に帰ってきたら、音楽イベントが全然ないんですよね。東京住んでいたり、ロンドン住んでいたときは、週末はどこに行っても有名なアーティストのライブとか見れていて。こっちに帰ってきたらそういったゲストを呼んだイベントが少ないので、自分で企画しようという始まり方ですね。『Dimension』に関して言えば、完全に自分が満足したいから始めました。

 

−  やっぱり一番は音楽が関係することが好きなのですか?

原田 : 音楽っていうツールを使って、人が集まる場所を作るいうのが僕のテーマです。1人で聴いているっていうよりもそういう場に集まるのが好きなんです。

 

福岡一の狭さ

 

spital06イベント情報や展示会情報のフライヤー。ここの壁を眺めることで、ここ最近のイベント情報や開店したお店の情報などがわかる。

 

−  他のカフェとは違う魅力はなんですか?

原田 : そうでうすね。人とあまり接したくない日は、あまり来ない方が良いと思います。みんな、色々聞いてきますので (笑) 同じ趣味の人を見つけたり、何か新しいことをやりたいという人は、ぜひ来てください。カップルでお茶しに来ようっていうのは、むいてないと思うので来ないで下さい。(笑)

 

− なるほどです。(笑)

原田 : そんなお店です。(笑)  あとは、狭いからこそうまれるコミュニケーションっていうのがあると思います。これが2倍広かったら、お客さん同士は話さないと思います。でもここで4人いたら皆で話しますよね。背を合わせてすることはできないと思いますので。ネットワークが広がるっていうのが、他とは違うことですね。このサイズでカフェをやろうと思う人はまずいないと思いますので。小倉一狭いカフェじゃないですか。もしくは、福岡一じゃないかなと。

 

勇気をもってお店に入ること

 

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2階の畳のあるスペース。ここでウクレレ教室や裁縫のワークショップ、企画展など様々な会場ともなる。

 

− これからのスピタルのをヴィジョンを教えてください。

原田 : 僕の好きな土地に小さいお店とゲストハウスを作ろうとしています。福岡市に作ろうとしているのは、カフェギャラリーで、別邸があるのでアーティストが泊まって、滞在しながら作品を発表できたりするお店です。実は、3月から自ら改装を始めます。誰か手伝ってくれないかな〜。福岡の店を定着させたら、次は温泉地とかに作りたいですね。僕自身もいろいろ各地回って、一カ所にいるのではなくて転々として、お店に立ち続けていきたいです。

 

− 最後に一言お願いします。

原田 : 個性的な店がある中、まずは勇気をもってお店に入ることですね。お客さんがが来なくなると面白いこと続けれなくなるなりますので。大手チェーン店だけでコーヒーを飲むんじゃなくて、個人店にいきましょうということです。地元がおもしろくないって言うのも、自分たちが面白くしなくしてるんですよね。インターネットで本買ったり、大手チェーンで買い物したりとか。だから僕は意識して食材は地元のスーパーとかで買ったり、珈琲やお酒も自分が好きな個人のお店に出向いて飲んだりしますね。早い話、そこのお店で買わないとそこのお店がなくなったら困るからですね。だったら行きましょうということです。まとめると、勇気を持って自分が気になるところに入ってみましょうっていうことですね。

(聞き手・文/今道安里紗 写真/小田雄大)

 

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原田 謙剛
DJ / プロモーター / SPITAL店主
20代の時にハウスミュージックに出会い、クラブカルチャーに没入。
20代は、自身の経験値を上げるため東京2年、ロンドン4年、ヨーロッパ各地を放浪。
ロンドンでは、DJのバイトで生活しながら音楽プロダクションにてアシスタント勤務し、プロモーターの知識を学ぶ。
その後、旅行者向けのゲストハウス“SPITAL LONDON HOUSE”をプロデュース。
2006年に帰国後、地元福岡に戻り音楽イベント”Dimension”を立ち上げ、
これ迄に、30組以上の国内外のアーティストのLIVE、DJイベントを企画。
2010年、北九州にて、今迄見てきたものを伝えるべくSPITALをオープンし、2011年に看板イベント”SPITAL MARKET”を立ち上げる。
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SPITAL
【住所】 福岡県北九州市小倉北区室町2−5−16
【営業時間】 昼〜23:30 (毎日facebookで営業時間投稿中)
【tel】 093-280-4958
【fax】 093-280-4958
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TRIP OFF編集部
TRIP OFF編集部
Writer

TRIP OFFとは、自ら訪れた福岡の人・もの・場所の魅力を物語と共に観光情報を発信しています。

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