暮らしと道具のあいだ。うつしき



時間を超えた無数の物語

 
「こんな場所に本当にお店があるのだろうか」と慣れ親しんだ場所から少し離れると不安が募る。

地図で案内される場所の道が狭くなるとなおさらである。

「遠出してでももう一度行きたい」というお店は辺鄙な場所にあることが多い。

福岡市と北九州市の真ん中の地域に位置する宮若市の「うつしき」も時間をかけてでも訪れたいお店だ。

市内から車で1時間ほどの田園風景が広がるのどかな場所にある。

約70年前からある鶏舎を改装した場所に、私の兄であるアクセサリー作家 yasuhide ono のアトリエ兼、

古道具や鉱物など置くお店として今年の9月にオープンしたばかりだ。
 
 
土壁
 
お店までの細い道を車で抜ければ、庭で育っている植物たちが出迎え、紺色の屋根に銅板の外壁の建物は昔からそこに在り続けたような佇まいだ。

扉を開くと穏やかな自然光が窓から差し込み、温かいスタッフが迎えてくれる。

壁に目を向けると、建てられた当初の土壁が存在する。

改装する際に全てを新しくするのではなく、当時の作り方を残している箇所が沢山ある。
 

“この屋根は合掌造りと呼ばれるような屋根で、高さや屋根の勾配が両方とも違うというのは昔の家ならではのことで、合掌造りというのがどういうものなのか調べれば調べるほど、こんなに理にかなっているものはないなと知ることができました。何でもかんでも新しいものというよりは、古き良きものを残したいという考え方です。”

 
UTUSIKI
 
置いている商品は、インドやネパールなど各国の買い付けで選んできた古道具や、

様々な人の手に引き継がれてきた丁寧で繊細な手しごとの数々が並ぶ。

店内に置いてある商品をみると、自分が無意識の内に固定的な物の見方をしていることに気づかせてくれる。

色褪せているから、錆びているから捨てるのではなく、そこに美しさや違う価値をみいだすように。
 
 
商品

商品
 
「こんな不便な場所に」というめんどくさい気持ちを超えると、そこでしか体験できない新しい出会いや価値に触れ合うことができる。

宮若市から新しい文化を発信していくこの場所から、今後も目が離せない。

(聞き手・文/小野義明(TAHITO) 写真/小田雄大(TAHITO

 

    うつしき
    住所 : 福岡県宮若市原田1693
    営業時間 : 11-18時
    定休日:火、水
    駐車場 : 有
    http://utusiki.com
ono yoshiaki
ono yoshiaki
Writer

web designer / engineer 大学在学中より、”体験した物語を伝える観光ガイドを作りたく起業し、TRIP OFFを運営しています。 今年の夏よりドローンによる空撮に挑戦。 http://tahito.jp http://onoyoshiaki.com

関連スポット

002
時代を無視した良いモノを。EARLY BIRD
June 27, 2016
popperlamd1
ないものをつくること、を追求する。 Popper Land
June 08, 2016
SAMMELN05
大牟田で古物と日用品を。SAMMELN
June 04, 2016
jam06
永遠に生き続ける花 flower jam
June 01, 2016
PAYAN01
古き良き空間 PAYANPAYAN&Dii
May 28, 2016
plase.store02
文房具のある暮らし PLASE.STORE
May 10, 2016
marie07
身体も喜ぶスイーツシフォン chiffoncake MARIE
May 07, 2016
LIFEINTHEGOODS05
心の奥にある風景を辿る 生活用品店LIFE IN THE GOODS.
April 16, 2016
tak06
その土地にある酪農に関心を持ってもらいたい。糸島ナチュラルチーズ製造所TAK
February 26, 2016